新型コロナウイルスワクチン接種後の抗体検査のご案内

抗スパイク抗体検査(抗S抗体検査)・新型コロナウイルスIgG抗体検査

検査費用:5,500円(診察が必要な場合は診察料を別途申し受けます。)

【新型コロナウイルスワクチン接種後の抗体検査について】

新型コロナワクチンを接種したことによって抗体ができたかどうかを調べる検査抗スパイク抗体検査(抗S抗体検査)(IgG抗体検査)で、
新型コロナウイルスに対する免疫を所有しているかどうかを確認できます。
ワクチン接種後14日以降での抗体検査により評価が可能となります。

この検査は、ワクチン接種後の抗体確認だけでなく、コロナ感染症に罹患した既往があるかどうかも判定できます。

抗S抗体検査とは?

新型コロナウイルスに二度とかからない「二度なし現象」に重要な役割を果たしているのが抗スパイク抗体(以下、抗S抗体)です。

抗S抗体にはウイルスを不活化する能力(中和能)があるとされ、S抗体が血中にあるとウイルスの感染能力をなくすことができると考えられています(注:S抗体を持っていることが感染しないことを100%保証するものではありません)。

コロナウイルスに特徴的な表面の突起を形成するスパイクタンパク質には、人細胞に感染する際に不可欠な受容体結合ドメン(RBD:receptor binding domain)が存在しています。RBDがヒトの肺や血管の細胞に存在するACE2受容体と結合することで、ウイルスは宿主細胞に侵入します。

このため、RBDに対する抗S抗体ができると新型コロナウイルスに二度とかからない「二度なし現象」が獲得されます。

当院の抗S抗体検査はスパイクタンパク質のRBDに対する抗S抗体を定量的に測定します。

ファイザー社製のmRNAワクチンもスパイクタンパク質のRBDの特異的に反応を誘導するように設計されています。

抗S抗体は新型コロナウイルス感染後に産生されますが、新型コロナワクチン接種でも抗S抗体が産生されます。

新型コロナ感染後、あるいは、ワクチン接種後に新型コロナウイルスに対する免疫(新型コロナウイルスに二度とかからない免疫)ができたかどうかを知るためには「抗S抗体検査」が必要です。

 

IgG抗体検査とは?

新型コロナウイルスPCR検査は、検査を受けた時点において新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる検査です。
今回の検査には「新型コロナウイルスIgG抗体検査」が含まれます。

ウイルスに感染すると体内の免疫細胞が反応して、ウイルスに対する抗体が作られます。
新型コロナウイルスIgG抗体検査は、新型コロナウイルスだけに特異的に反応する抗体を調べる検査です。

IgG抗体は新型コロナウイルスに感染して約2〜3週間後に陽性となり、3〜6ヶ月間以上陽性が続きます。

抗体検査の方法は、採血で行います。


(画像:朝日新聞)

【注意事項】

・来院される2週間以内に発熱・咳・息苦しさ・強いだるさなどの風邪症状や呼吸器症状または味覚異常や嗅覚異常があり、
新型コロナウイルスに感染している可能性のある方は検査対象とはなりませんのでご了承ください。

・現時点で新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判定するものではありません。
結果が「陰性」であってもかかっていないことの証明とはならないため陰性証明書の発行はいたしません。検査結果は後日郵送(別途切手代84円)でのお渡しも可能です。

・新型コロナウイルス抗体の持続時間や、抗体を持っていることでどの程度の感染防御効果があるかなどについては現時点で
解明されていない部分が多く、検査結果についての個別質問は受け付けておりません。

【検査をご希望の方は】

注意事項を確認いただき、事前にご予約をお願いします。
新型コロナ抗体検査のご予約について
新型コロナ抗体検査を希望される方はお電話でご予約(直通電話:06-6427-6505)をお願い申しあげます。予約時間は診療時間内となります。
IgM抗体とIgG抗体を同時に測定することにより、感染の時期もおおよそ分かる仕組みになっています。
検査は有料となります。

【免疫とは?】

免疫とは疫病から、免れる(まぬがれる)と言う意味。一度かかった伝染病に二度はかからなくなる「二度なし現象」のも免疫。
ジェンナー(イギリスの科学者)はこの概念を実践し、世界で初めてのワクチンである種痘法を開発して、天然痘を地球上から撲滅しました。

現代では、もう少し広い概念で、「体内に病原体が侵入した時、あるいは、がんのようなものが発生した場合に、これを選択的に排除しようとする機能
(自己の生存にとって不利益な外敵から自分を守る仕組み)」を免疫と呼んでいます。

免疫には自然免疫と獲得免疫があります。病原体やがん細胞をいち早く察知して働き始めるのが「自然免疫」。
病原体やがん細胞の特徴を調べてから特異的に総攻撃するのが「獲得免疫」。

自然免疫に関与するのは、好中球、マクロファージ、樹状細胞、そして、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)。
これらの免疫細胞は病原体(細菌やウイルスなど)やがん細胞を無差別(非特異的)に食べたり、細菌やウイルスに感染した細胞やがん細胞を壊したりすることで、
病原体やがん細胞の増殖を防ぎます。

獲得免疫は自然免疫よりも数日から数週間遅れて機能しますが、細菌やウイルス、がん細胞に対して、より特異的で強力な免疫を発揮しする。
また、一度かかった病原体を覚え、すばやく免疫反応を起こし、一度かかった伝染病に二度はかからない「二度なし現象」を担当します。

【ワクチンのしくみ】

ウイルスに感染(自然感染)すると、ウイルスに対する免疫ができて、再感染を予防します。この現象は「二度なし現象(一度かかった伝染病に二度とかからない現象)」と呼ばれています。
すなわち、人間の体は、一度かかった病原体を覚え、二度目に病原体が侵入した時に、すばやく免疫反応(液性免疫の抗体と細胞性免疫のキラーT細胞による免疫反応)を起こし、一度かかった伝染病に二度はかからない免疫力を獲得できるのです。

(画像:朝日新聞)

【新型コロナウイルス関連サイト】

新型コロナウイルス感染症について|厚生労働省

新型コロナウイルス感染症|感染症トピックス|日本感染症学会

【Q&A】